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 札幌医科大学保健医療学部理学療法学科、理学療法学第一講座の小塚直樹でございます。

 2006年6月1日に教授に就任、翌2007年より神経・発達障害理学療法学分野を構え、大学院保健医療学研究科教授を兼務し、現在に至っております。

 私は1981年に理学療法士となり、北九州市立総合療育センターで小児リハビリテーションの臨床を学んだ後、1989年に本学部の前身である衛生短期大学部に助手として着任、その後一貫して小児疾患のリハビリテーション、小児理学療法学を専門とし臨床、教育、研究に携わってきました。 教職に就いた平成元年当時、小児理学療法を専門とする教員は少なく、学問の体系も未熟でエビデンスに乏しい領域でした。結論から申し上げるならばこの30年の間に我々を取り巻く全てが動き、多くのエビデンスに基づいたリハビリテーションが系統的に行われる時代となりました。

 私自身の研究活動を含め、この研究室でもその動きに沿う研究テーマに取り組み、多くの成果を重ねております。また多くの優秀な人材が育ち、我が国の小児理学療法学領域をリードしております。

 現在本研究室で取り組むテーマは大きく三つです。まずハイリスク新生児、早産低出生体重児を対象とした運動 の特性に関する横断的、縦断的研究です。次に学齢期の肢体不自由児を対象とした身体活動性に関する研究、運動 機能評価の妥当性に関する研究です。最後に成人脳疾患を対象とした転倒や不良姿勢を予防するための姿勢運動制御に関する研究、運動負荷後の神経生理学的変化に関する研究です。このテーマの中には成人脳性麻痺、脳卒中を対象とした運動学的研究を含んでいます。いずれのテーマも臨床で用いられるための評価、介入に結びついていくことを強く意識しております。

 レベルの高い理学療法は、レベルの高い理学療法学に支えられています。この大原則とともに研究室メンバー一丸となり、時代の潮流を敏感にとらえ、「将来あるこども達のために、患者さんご本人のために、ご家族のために、北海道のために」有意義な研究に取り組み、小児理学療法学の発展を目標とし、与えられた使命を果たすべく、主宰していく所存です。

​近年の著書

運動発達障害,病態運動学 (植松光俊監修).小塚直樹:医学書院,東京.P368-373, 2014

身体運動器機能-運動・歩行1:胎児期~青年期,人間発達学テキスト(細田多穂監修).小塚直樹:南江堂,東京.p74-83,2014

脳性麻痺の筋緊張異常に対する薬物療法,小児理学療法学テキスト第2版(細田多穂監修).小塚直樹:南江堂,東京.P91-92,2014

脳性麻痺アテトーゼ,小児理学療法学テキスト第2版(細田多穂監修).小塚直樹:南江堂,東京.P143-157,2014

小児・発達,今日の理学療法指針(内山靖編集).小塚直樹:医学書院,東京.p311-321, 2015

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